14.1  ムービーを作ってみよう

 ここでは簡単なムービーを作成して、ムービーメーカの使い方を説明します。

ムービーメーカの主要機能

作成するムービーの概要

 ここでは、北アルプス蝶ヶ岳から常念岳まで槍ヶ岳を見ながら移動し、常念岳で穂高を振返るという簡単なムービーを作ってみましょう。ビットマップ画像(BMP)の枚数はとりあえず40枚程度にしてみましょう。

 蝶ヶ岳から槍ヶ岳方面を見ます。カメラのレンズは28ミリぐらいの広角で、視線は南岳あたりにします。
 その角度のまま、最初の30枚で常念岳まで到達し、頂上で左を振返って穂高を見るという感じです。振返るのに10枚使いましょう。
 再生時間は15フレーム/秒として2秒程度です。(再生時間はムービー作成ソフトによって変更が可能です)
 

(1)カシバードの起動

 カシミール3Dを起動し、蝶ヶ岳へ移動します。
 蝶ヶ岳の山頂にマウスを合わせて、右クリックメニューで「カシバード起動」を選択します。

(2)最初の画面の設定
  
 ここで、このムービーの基本になるカシバードの描画の設定をしましょう。
 画面のサイズは任意ですが、もしネットなどで公開する場合は小さめにしないと無理です。今回は480*120と横長にしてみます。
 その他、レンズ長28ミリ、風景は「北アルプス夏」のデフォルト設定、対地高度は12メートル、撮影距離28km、山名表示はなし、としてみました。

 視線を南岳に合わせるには、南岳の山頂にマウスを合わせ、右クリックで「カシバード目標」を選択するのが確実です。これで、起動ずみのカシバードの方位が南岳の方向になります。
 カシバードの設定はキーフレームごとに変更できますが、最初の画面での設定が基本になりますので何回か描画してみて、気に入った設定をしておきましょう。
 設定が決まったら、カシバードの画面はそのままにしておいてください。なお、カシバードの画面は描画しなくて構いません。

(3)ムービーメーカの起動

  ムービーメーカを起動します。カシミール本体のボタンか、[3D]-[ムービーメーカ]をクリックします。

(4)キーフレームの設定

 「キーフレーム」とは、ムービーにする連続したBMPのうちのチェックポイントになるものです。カシバードでの各種設定はキーフレームごとに変化します。すなわち、キーフレームの登録をすると、次の登録がされるまで前回の設定内容のまま描画します。 なお、設定のほとんどは数値で補完されますので、前回と完全に同じではなく、キーフレーム間をなめらかにつなぐように計算されます。

 キーフレームを最初の蝶ヶ岳と最後の常念岳だけにすると、途中は直線になってしまいます。
 今回は40枚程度のビットマップ画像(BMP)の作成を考えていますが、30枚で常念岳まで到達するので途中2箇所をキーフレームとし、1枚め、10枚め、20枚め、30枚めをキーフレームに設定してみましょう。

 まず、さきほど設定したカシバードの画面を最初のキーフレームにしましょう。

 ムービーメーカの「フレーム一覧」に黄色いボタンが並んでいます。これが1つのフレームを差します。一番左端が0フレームめです。マウスでボタン以外の部分をクリックしてください。
 左上の「カレントフレーム」が「0」であることを確認したら、その右の「キーフレーム登録」を押してください。するとフレーム一覧の下「新規レイヤー」の右のボタンが赤くなります。これでこのフレームがキーフレーム登録されていることを示します。

 これで最初の画面の登録は終了です。

(5)次のキーフレームの設定

 蝶ヶ岳から常念岳への稜線の1/3程度の距離の適当なポイントまでカシバードを移動しましょう。カシバードの移動は、地図上のカシバードの白い円の中をマウスでドラッグして行います。

 移動したら、設定はそのままでカシバードの描画をしてみましょう。
 (方位角など各種設定も最初の画面にとらわれることはありませんが、あまり急激に変化させるとムービーになったとき見にくくなります。)
 この場所では前景が邪魔でだめ、など問題があれば、そのまま別の場所に移動して描画してみましょう。なお視点ポイントさがしはカシミールの地図の表示を2倍、4倍にすると見易いでしょう。

 キーフレーム登録する場所が決まったら、ムービーメーカの画面の「フレーム一覧」で10フレームめの黄色いボタンを押し、青いフォーカスがその場所に移動したこと、あるいは左上のカレントフレームが10になっていることを確認して「キーフレーム登録」ボタンを押してください。

 同様に、常念岳との距離で約2/3の地点で20フレームめを、常念岳で30フレームめを設定してください。

 常念岳まで来たら、残りの10フレームで穂高を見てみましょう。
 現在の視線は、途中で変更していなければ297度になっています。これを穂高を見るために変更します。
 変更の方法は最初の視線の設定と同じで、見たい山にマウスを合わせ、右クリックで「カシバード」「カシバード目標」を選択します。ここでは奥穂高岳に合わせてみましょう。視線が240度になります。カシバードで描画して問題なければ、これを40フレームめのキーフレームに登録しましょう。

(6)カメラプレビュー

 キーフレームの設定が終了したら、ムービーメーカの「カメラプレビュー」の右向きの▲を押してください。
 カシバードが設定した径路をプレビューしてくれます。
 
 問題がなければ、ここでムービーファイルの保存をしてください。
 次回以降同じ径路でムービーを作成するときにこの設定が使用できますし、一部をあとで修整するというときにも使用できます。
 次回作成時には「ムービーメーカ」を起動後、「ファイル」-「開く」で前回保存したファイルを指定すれば使えるようになります。

(7)修整

 キーフレームを設定した以外の途中の場面を確認したければ、該当フレームの黄色いボタンを押してからカシバードを描画してください。
 キーフレームの途中の自動設定に問題があれば、その部分をカシバード側で好みの設定に直してから「キーフレーム登録」をしてください。

(8)ムービー作成

 設定が問題なければムービーメーカの「作成開始」ボタンを押します。
 作成するを保存するフォルダの指定が求められます。デフォルトではカシミールをインストールしたフォルダに作成されます。
 カシバードが一生懸命描画しますので、完成するまでの間、お茶でも飲んでいましょう。

(9)ムービー確認

 すべての描画が終わると、終了したことを告げるダイアログが表示されます。
 さきほどの「カメラプレビュー」の横のプルダウンメニューに「ムービー確認」がありますので、これにしたうえで右向きの▲を押してください。
 するとカシバードの画面に作成したビットマップ画像(BMP)が連続再生され、ムービーとして見ることができます。
 いかがでしょうか、思ったとおりにできましたか。

 もし、不満がある場合は「7.修整」に記載した方法で必要な箇所を修整してください。
 再度「8.ムービー作成」に戻ります。作成ボタンを押すとダイアログが表示されますが、左にすべてのフレームか指定範囲かを指定できますので、ここで必要な部分のみ指定すれば、直したい部分だけを修整することができます。

 


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