13.2  プレビュー(Direct3D)の設定

 カシバードを最初に立ち上げると、プレビューの設定画面になります。

 プレビューとは、カメラでいえばファインダーです。いわば、構図などを決めるための画面です。美しい景色は[撮影]することで初めて作成できますが、そのデザインを行うための機能がプレビューです。
 プレビューを行うかどうかは、[表示]-[リアルタイムプレビュー]にチェックがついているかどうかで決まります。プレビューが遅いときは解除してください。

 しかし、Ver5.6 以降は DirectX という技術を用いて、プレビューの機能が大幅にアップ。リアルタイムに景色を表示できるようになりました。山名なども表示できるので、美しい写真を必要としない山座同定などにはプレビューだけでも十分になってきています。
 ただし、プレビューの山名表示は正確でない見通し判定で描画していますので、見える山が表示されなかったり、見えない山が表示されることがあります。正確な山名表示はかならず[撮影]して確かめてください。

(1)DirectX の使用

 プレビューは、システムに DirectX がインストールされているとリアルタイムで高機能な表示が可能です。もちろん、インストールされていなくても、プレビューは機能します。また、[撮影]には DirectX はまったく関係ありません

 DirectX は、 DirectX5 または DirectX9 以降が必要です。DirectX5は Windows98 なら標準で装備されています。なお、WinodowsNT の場合は、Windows2000 以降でサポートされます。
 最新の DirectX は下記から入手できます。
http://www.kashmir3d.com/directx/
 

(2)プレビューの設定

 プレビューの設定は、カシバードを最初に開いたとき、またはメイン画面の[3D]-[カシバードのプレビュー設定]、またはカシバードの[設定]-[プレビュー設定]のいずれかから呼び出すことができます。

 プレビュー設定の詳細を解説します。
 
1ページ目

 最初のページは、DirectX を使った表示を行うかどうかを設定します。
 DirectX の性能は、ビデオカードの3Dアクセラレーション性能に大きく関係します。高速な3Dアクセラレータを装備したビデオカードをお使いになると、快適にリアルタイム3Dが使用できます。

 DirectX がうまく動作しない場合は、この[Direct3Dを使用しない]でお使いください。使用しなくてもプレビュー表示はできますし、美しい風景CGの作成は可能です。

○DirectX 9 を使う(D) <高機能プレビュー>
 →DirectX9 を利用して、風景設定の詳細な部分までリアルタイムに再現し、操作できます。
○DirectX 5 を使う(X) <低機能プレビュー>
 →DirecX5を利用して、地形の外観のみをリアルタイムで再現、操作できます。
○Direct3D を使わない(N) <簡易プレビュー>
 →DirectXを一切使用しないで、簡易な表示をします。

高機能プレビュー(DirectX9使用)
(a)2ページ目

 プレビューで使用する機能のON/OFFです。動作が重い場合は、チェックをはずしていくことで軽い動作にできます。また、パソコン(ビデオボード)の性能によっては使用できない機能が出ることがあります。
□テクスチャ機能を使用する(T)
 →地図や詳細な風景設定を表示します。
□[詳細色]の風景設定を反映する(S)
 →詳細な風景設定を使用します。
□地名を表示する(N)
 →地名表示を行います。
□アイコンを表示する(I)
 →地名やGPSのアイコンを表示します。
□雲を表示する(C)
 →雲を表示します。
□霧または霞を表示する(F)
 →霧または霞を表示します。
□光源方向を忠実に再現する(L)
 →太陽の光の方向の設定を反映します。
(b)3ページ目
・データ量の設定
 高速でメモリ(ビデオメモリ)が十分にあるマシンでは、データ量を多くすることができます。逆に、動作が重い場合はデータ量を少なくすると改善できる場合があります。

・アイコンのサイズ
 地名やGPSのアイコンサイズをメートル単位で設定でします。

・マーカーサイズ
 断面図やグラフと連動して表示するマーカーのサイズをメートル単位で表示します。
(c)4ページ目
・オートドライブの設定
 マウスで右ドラッグによる移動、またはホイールでの高度上下したときに、マウスを離しても移動し続けます。
 この機能を解除したいときはチェックをはずしてください。
 おすすめの操作方法
 カシバードおすすめの操作方法は、マウスによるコントロールです。
・画面の上下左右(パン・チルト)
 カシバードの画面で左クリックしながらドラッグすると、その方向にカメラを振ることができます。

・前後左右への移動
 カシバードの画面で右クリックしながらドラッグすると、前後左右にカメラを自由に移動できます。

・上下への移動
 カシバードの画面でマウスのホイールを動かすと、カメラを上昇・下降させることができます。
(d)一時設定
 プレビューを使用する際に便利な一時設定が、カシバードのメニューにあります。
・[表示]-[プレビューの機能を最低にする(L)]
 一時的にプレビューの機能を最低にします。機能を最低にすることで、動作を軽くするなどの用途に使えます。

・[表示]-[プレビューでオンライン地図を取得(Q)]
 表示する地図や地形データがオンライン地図の場合に、必要な部分を自動的にダウンロードします。
 この機能をONにすると、応答が悪くなることがあります。
(e)制限事項
 高機能プレビューでも、以下の設定などは反映されません。

(f)質問と回答
Q.高機能プレビューが使用できません。
A.ビデオカードの性能が十分ではありません。従来の低機能プレビューでお使い下さい。

Q.地図や模様が徐々に貼り付いていきます。
A.そのような動作仕様になっています。

Q.地図がボケたような部分があります。
A.場所によっては解像度が低下する仕様になっています。

Q.遠方の風景がパタパタします。
A.ビデオカードの性能による問題です。ドライバをアップデートすることで解決することがあります。

Q.DirectX9をアンインストールしたい。
A.アンインストールはできません。旧バージョンとの互換性が保たれていますので、そのままで問題ありません。
低機能プレビュー(DirectX5使用)

(a)テクスチャを使う

 次のページは、テクスチャを使うかどうかを設定します。
 テクスチャは、お使いのビデオカードに十分なメモリがないと使用できません。メモリがあっても、ビデオモード高解像度(1280X1024)などにしていると、空きメモリが少なくなりますので、使用できないことがあります。

 [いつも使う]にすると、すべての地形データでテクスチャ表示します。可視マップを表示していると、自動的にマッピングされたり、なかなか綺麗に表示できますが、メモリ使用量が増えたり、地形の凹凸がわかりにくくなります。

 [場合により使う]にすると、MAT形式の地図データのときはテクスチャ表示し、それ以外はテクスチャは使いません。

 [テクスチャは使わない]にすると、テクスチャは一切使いません。

(b)ソフトエミュレーション

 ビデオカードのハードウェア機能を使わないで表示します。
 かなり重くなりますが、うまく動作しない場合はこのモードで表示できるかどうか試してみる価値はあります。

(c)地名を表示しない

 地名を表示しません。
 このチェックがはずれているときは、[設定]-[地名の設定]での設定に従って表示します。
 地名の表示は多少重くなることがあります。そのようなときは表示しないにしてください。

(d)地形の表示方法

 できるだけ広い範囲を表示するか、それとも地形の再現性をよくするかどうかを決めます。
 後者は、ポリゴン数が多くなって多少重くなります。

 また、[地形の表示範囲をカメラの撮影距離に連動する]にすると、カメラの撮影距離に応じて地形の表示範囲が大きくなったり小さくなったりします。表示の限界以上は表示できません。

(e)データ量の調整

 データ量を大きくすると遠くまで表示できますが、重くなります。
 地形データがCD-ROMの場合などはデータの読み込みに時間がかかるので、データ量を小さくしてください。(左から2番目までくらい)

 また、486CPU などきわめて遅いマシンでは、[データ量を最大限減らす]をチェックして、データ量をさらに小さくしてください。

(3)マウスによるプレビューの操作

 プレビューは、マウスまたはキーボードで操作することができます。
 浮遊感覚が味わえていいです。
 
 

左クリックしながらドラッグ、または [←][→] カメラを左右へ振る
左クリックしながらドラッグ、または [↑][↓] カメラを上下に振る
右クリックしながらドラッグ、または [Shift]+[↑][↓] 前後に移動する
右クリックしながらドラッグ、または [Shift]+[←][→] 左右に移動する
ホイールを回す、または [Ctrl]+[↑][↓] 上昇・下降する
[Ctrl]+[←][→] レンズをズームする

(注意)
 DirectX は、ハードウェアやドライバの問題により正常に動作しないことがあります。作者の環境ではすべてのハードウェアのテストは行えませんので、これらの問題の修正はできないことがあります。あらかじめご了解ください。
 

(4)Direct3D を使用しないプレビューの設定

 Direct3D を使わない場合のプレビューの設定は以下のようになります。
 

(a)撮影距離と連動する

 撮影距離の設定にしたがって、プレビューをできるだけ撮影時に近づけます。ただし、撮影距離が遠くなると、地形が荒くなります。これは使用メモリをできるだけ少なくするためです。地形を細かくしたい場合は、このチェックをはずして、以下のマニュアル設定を行ってください。
 なお、撮影距離がプレビューできる範囲を超えると、それ以上はプレビューできません。

(b)地形の詳しさ

 [撮影距離と連動する]のチェックをはずしているときに有効です。
 地形を詳しくすると、メモリがたくさん必要になります。

(c)地形の範囲

 [撮影距離と連動する]のチェックをはずしているときに有効です。
 地形の範囲を大きくすると、メモリがたくさん必要になります。
 

(5)Direct3D を一時停止

 Direct3D を一時的に使わなくできます.
 [表示]-[Direct3D の一時使用停止]を選択してください。

 

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